筑波山
筑波山は山頂付近が斑れい岩類、山腹付近が花崗岩類、山裾付近には山麓斜面堆積物が見られる。
斑れい岩と花崗岩は深成岩 (地下深くで、マグマがゆっくり固まった岩石) の一種で筑波山が地下深くで出来た事が分かる。
つつじヶ丘 (542m)
灰黒色の硬い岩石。風化に強い。この地域では 「筑波石」 と呼ばれ,庭石などに使われている。
筑波山の形成
筑波山は深成岩で形成された山塊です。そのため、山自体が地下深くでゆっくりと固まったことが推測される。
約7500万年前に斑れい岩質マグマが固まり、斑れい岩(今の山頂付近)が地下10km付近でできた。その後、約6000万年前に花崗岩質マグマが斑れい岩の周辺で固まり、花崗岩となった。
そして、地下深くでできた岩塊は約10km深くから地表まで隆起を始めた。 この際の隆起速度は1万年あたり1~2mと考えられており、地表付近に現われた後、風化しやすい花崗岩が浸食され、斑れい岩の部分だけが取り残されることで筑波山が形づくられた。
~~ ここがジオポイント ~~
・斑れい岩: 比較的硬く、風化しにくい。
・花崗岩: 含まれている 「長石」 が風化に弱く、侵食されやすい。
・この特徴から班れい岩が山頂に、花崗岩が中腹から麓にかけて分布している。
筑波山が形作る奇岩群
筑波山に存在する弁慶七戻り、ガマ石、母の胎内くぐり等の奇岩群。 これらの形成にも筑波山の岩石が関係している。
例えば、「弁慶七戻り」 や 「ガマ石」は、斑れい岩が隆起する際にできた割れ目(節理)に上から落ちてきた岩が引っ掛かってできた。 斑れい岩が固いため、現在まで残っている。
また、「母の胎内くぐり」などは、土砂崩れによって移動した巨石と土砂が基となっており、岩の間の土砂が浸食され、固い斑れい岩が取り残されることで形づくられた。
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【参照資料】
『筑波山地域ジオパーク・サポーターズクラブ 通信 VOL.5』 (筑波山地域ジオパーク推進協議会事務局 )