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Channel: ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。
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ガマの油売り口上夏期講習会終了、長寿と男女共同参画社会だ、女性の受講・入会大歓迎!

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         ガマの油売り口上夏期講習 納刀の作法を学ぶ受講生 
          中の2人が受講生、左端はアシスタントを勤めた口上士 
          常陽新聞 2014年7月28日(月曜日)『ガマの油売り口上修了
           つくば 平均10人受講、秋にも開講』掲載の写真  
      教えているのはこの人

 【この日の演技は、この記事で】8月2日の日本列島真っ赤か、筑波山も真っ赤かの猛暑、それにもめけずに登山愛好家は山頂を目指す

    アシスタントはこの人
 

 ガマの油売る口上修了 
  つくば 平均10人受講、秋にも開講  
 つくば市の無形文化財「ガマの油売り」の2014年度夏期養成講座が27日、全4回の日程を修了した。

 講座は同市社会福祉協議会が主催。「筑波山ガマロ上保存会」の指導で約10年前から開かれている。当初は年1回の開催だったが、好評なため4年前から年2回となった。毎回平均10名が受講し、約3分の1が実際に口上士になるという。毎回県内外から参加者が訪れる。埼玉から参加した男性は「人を喜ばせるせる活動を」したい。

  テレビでガマロ上を見て、これだと思った」と言い、市内の男性は「ボランティアで慰問活動をする際に披露したい。覚えるのは難しいが、ボケ防止に効果がありそう」と笑顔で語った。

 今回一番遠くからの参加者は青森の女性で、絵本の読み聞かせ活動をしているというだけあって実演では堂々と声を出し「うま.い」と会員を驚かせていた。

 第20代名人永井兵助をはじめとするベテラン会員による模範演技には、全員が首葡に見入った。現在配布されているテキストの「正調」口上は、郷土色豊かな語り口だった第18代名人と、女性らしい品のある第19代名人の口上をもとに確立したもの。

 20代名人は27日に開会した「いばらき総文」の親睦会で口上を披露したり、筑波山神社で高校生たちと記念撮影する予定で、つくばを象徴する「おもてなし」役を担う。「正調の口上を伝えたい。郷土の伝統を受け継ぐ者として誇りを持ってやってほしい」と力を込めた。次回養成講座は秋に開催される予定だ。(古賀由美子)
       以上、2014年7月28日(月曜日)「常陽新聞」から転記  

講習会の経緯、後継者の育成
 「ガマの口上入門・研修講座」は、平成12年7月15日の第一回の総会で、同年11月、12月に実施することが決まり、以来毎年講習会が開始されてきた。

 保存会が設立した年の平成11年12月の会員数は44名であったが、8月1日現在、95名である。設立当時の2倍の会員を擁し、北は北海道、南は九州と全国各地で活躍している。
 会員は男の中高年齢者が多く、毎年講習会を実施している割には会員数がそれほど増えていない。遠隔地に居住している人や高齢に伴う人の退会が影響しているのであろう。
 保存会が発展し“伝承”芸能を守るためには、女性や若い世代や女性が、もっともっと講習を受け、入会して活動することが求められる。 
       会員の高齢化、若返りが課題  
  

長寿日本、人生は長い、「生活は豊か」か「人生は幸せか」
 実は、国際的にみた場合、長寿の日本の「生活の豊かさ」は高くない。なぜか!

 経済協力開発機構(OECD)は、2014年5月、世界幸福度ランキング2014を発表した。日本の幸福度は36カ国中20位であった。昨年は21位だったので、ランキングの結果は大きく変わっていない。
 「OECD よりよい暮らしイニシアチブ(OECD Better Life Initiative)」は、人々の生活の質を形成する重要な生活の諸側面に焦点を当てたもので、2011年に始まった。 このイニシアチブは、定期的に更新される幸福指標とその分析からなっており、How's Life?と題する報告書と、Better Life Index というインタラクティブなウェブアプリで公表している。
 日本は、OECD が良い生活に不可欠と考える上記11項目の多くにおいて、他の OECD諸国と比較して良い結果を出している。 安全面では、日本はトップに位置している。 所得と富、教育と技能、雇用と収入、社会とのつながりの諸項目で OECD平均を上回っているが、環境の質、住宅、市民参加、主観的幸福、仕事と生活のバランス、健康状態では平均を下回っている。

          OECD『How’s Better Life in japan 日本の幸福度2014年5月』3頁
 OECD加盟国の中には、ポーランド、トルコ、メキシコ、韓国といった国もあり、その中で日本はかなり低い。 日本のランクが低い理由は、健康、主観的幸福度、ワークライフバランス、政治の市民参加などで著しく低いからである。 

 日本は世界一の長寿国であるにもかかわらず、健康面でのランクが低いというのは現実と矛盾する。しかし、このランキングは幸福度なので、本人がどう思っているかが重要となる。

 健康の評価項目には平均寿命も入っているが、一方で、自身の健康状態についてどう考えているのかという項目もある。この部分についていえば日本は世界最低ランクである。つまり、日本人は世界でもっとも長生きしていながら、世界でもっとも自身を不健康と考えていることになる。 

 主観的幸福度、ワークライフバランスでは長時間労働も低い、また、生活においてどのような面を重視するのかという調査では、日本は安全に対する重要度が高く、生活の満足度に対する重要度が低いという結果も出ている。日本は世界で最も安全な国だが、それでも安全に対する要求度が極めて高いのである。

 環境が悪くても満足度が高いということはあり得るだろうが、精神的満足度は物理的環境と密接な関係にある。長時間労働や相対的貧困率など、日本が改善すべき点が多い。医療についても、単に寿命を延ばすためのものではなく、患者の生活の質にも力を入れることが求められる。

 テレビや新聞は日本の問題点を繰り返し報道している。日本の政治は最悪であると。与野党とも政治家の質は低く、外交は弱腰。強みであったはずの経済も、以前ほどの元気がない。企業の競争力は失われ、雇用環境は悪化し、GDPは中国に抜かれた。連日殺人の事件や事故のニュースが繰りかし報道されている。教育、年金、医療・・・・・・。どれをとっても問題山積、悲観的になってしまう。 

 他国との比較でみた日本の特色は、客観的にみると世界のトップクラスにあるにも拘らず、日本人自身が強い不安・不満をもっているため、順位が低めになっている、ということなのであろう。容器に水が半分入っているとき、「半分もある」と考える人と「半分しかない」と考える人がいる。否定的に考えず「まだ半分も残っている」と肯定的に人生をとえれば、幸福な人生を送れる可能性も高くなるのだろう。 

 「世界一幸せな国」といわれるブータンは、一人当たりのGDPが世界で最も貧しい国であり、識字率は50%前後である。その国民の大半が自分は「幸福」だと考えているらしい。人々は豊かな自然の中で暮らし、生活を楽しんでいるのだろう。

 日本人は、現状に満足せず「水が半分しかない」と考え、努力を継続したから経済成長を達成し今日の地位を築いてきた。ここで、「どうせダメだ」という否定的な考えにとらわれては元も子もない。長寿で成熟社会の中で、明るく前向きに生きていける社会を作っていくには、どうしたらよいか、これを考える時代がやってきたのだ。 

(「生活の豊かさ」も高くない)
  

(国連開発計画 人間開発報告書)
 国連の人間開発が扱うのは国民所得の増減にとどまらない。人間開発とは、人々が各自の可能性を十全に開花させ、それぞれの必要と関心に応じて生産的かつ創造的な人生を開拓できるような環境を創出することあり、人々こそがまさしく国家の富である。各々にとって価値ある人生を全うすることを人々に可能とする、選択肢の拡大こそが開発である。従って、経済成長は、開発にとって重要ではあるものの、人々の選択肢を拡大するための一つの手段にしかすぎない。
 このような選択肢の拡大の基礎となるのが、人々が人生においてできること、”なれるものの幅”を広げること、すなわち人的能力(human capabilities)の育成である。 

 人間開発のための最も基本的な能力は、長寿で健康な人生を送ること、知識を獲得すること、適正な生活水準を保つために必要な資源を入手すること、そして地域社会における活動に参加することである。これらの能力を獲得できなければ、 “そのほかの選択肢” にも手が届かず、人生における多くの機会を逸してしまう。  

 金や財産は我々が追及すべき究極の善ではない。これらは “そのほかの選択肢” を手に入れる手段に過ぎない。90年から100年の人生をどのように過ごすのか、これが大きな課題である。  
   今年92歳、吉岡名人  
   最近、耳はやや遠くなったが、口上の演技ではまだまだ、若いものには負けない。いたって元気です。
 

男女共同参画の長寿日本、女性の受講・入会大歓迎 
 厚生労働省は7月31日、2013年の日本人の平均寿命は女性86.61歳、男性80.21歳で、いずれも過去最高を更新したと発表した。男性は調査が始まった1891年以来初めて80歳を超えた。女性は2年連続で長寿世界一となった。

 “平均寿命”が女性86.61歳、男性80.21歳ということは、大多数の人が90歳超まで生きるということである。女性はほとんどが90歳以上まで生きることになる。長寿社会を生きる上で、「生活を豊か」にし「幸福度」を高めることは必須のことといえる。 

 武道で「守・破・離」という言葉がある。「守」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、それをしっかりと身につけることである。「破」とは、師に教えられしっかり身につけたことを自らの特性に合うように修行し、自らの境地を見つけることをいう。そして「離」とは、それらの段階を通過し、何物にもとらわれない境地をいう。 

 この「守・破・離」を90年超の人生を3つのステージに分けてみると、次のように考えることもできる。人生の30歳代までが第1ステージの「守」の段階である。親や社会に育てられ社会人となり家庭を築く。
 
 次の30数年間は第2ステージの「破」である。親や社会に教えられ学んだことを自らの人生に合うよう人間開発に努め、自らの境地を見つける。孫の誕生と成長にともない第2ステージが終わる。このステージで人々は、長寿で健康な人生を送るための知識を獲得し、適正な生活水準を保つことになる。人々は人生において ”できること”、”なれるもの” の幅を広げること、すなわち人的能力を開発することになる。

 その集大成として何事もとらわれない第3ステージ「離」へと進む。このステージでも、ハッピーライフを送るためには、”なれるもの”の幅を広げること、すなわち人的能力の開発を続ける必要がある。

 国際的に見た場合、日本の「幸福度」も「生活の豊かさ」も、経済的には他国に優っているにもかかわらず高いとはいえない。これは、女性の社会的進出、高齢に伴う健康に対する不安、“富”では得られないもの、何をもって幸福と考えるかという考え方などが原因のようである。

 ガマ口上の講習会の受講の動機に「ボケ防止」もあるが、それも結構であるが、人生の第3ステージを前に “現状維持でいい”、 言い換えれば“進級せず留年でいい”と言っているようにも感じられる。もっと自分の人生を積極的に生きたらいいと思う。 

 保存会の現会長の大久保氏が筑波山の梅林でガマの油売り口上を演ずる際、よく言っていた言葉を思い出す。「心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変わると人生が変わる」と。  

 ガマの油売り口上は、演者が主人公。見る立場から見られる立場へと変ることになる。ものの見方受け止め方も変わってくる。新たな自分を発見する契機にもなる。
 ガマの油口上保存会の設立には、性別、学歴、職歴、年齢及び信条は一切関ない。設立の趣旨に賛同した者が設立したのである。「生活の豊かさ」とは何かを考え「幸福度」を高めるには、選択肢が多くあったほうがいい。その一つが「筑波山ガマの油売り口上」である。 

 男女共同参画社会基本法は、「少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている。

 このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である。」と謳っている。

 ガマの油口上保存会は、男社会で、“時代遅れ” の感は否めない。大勢の女性が講習を受講し入会すべきである。女性大歓迎!

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