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Channel: ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。
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ガマの油 皹(ひび)にしもやけ、皸(あかぎれ)に効く筑波山の名物 

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ガマの油の由来
 口上演技の実演による宣伝効果によって知名度が上がった“ガマの油”は、どのようにしてつくられたのだろうか。“ガマの油”と言われるが、ガマガエル、別名ヒキガエルは目の後ろに長い隆起があり、そこから出る白い毒液を分泌する。これをセン酥(せんそ)というが、この分泌液は、麻酔作用と血管収縮作用があると言われている。 これに薬草、動植物油脂や辰砂を配合して作ったものをセン酥膏(“ガマの油”)と言った。 

 慶長19年(1614年)、筑波山神社の光誉上人は徳川方として大阪冬の陣に際し、セン酥膏をもって出陣、戦に傷ついた武士の切り傷、すり傷の薬、血止めの薬として使れよく効いたと言い伝えられている。戦に際して用いられたので“陣中”という文言が付けられている。

   江戸時代末期、香具師は、がまの油をどう作ったのだろうか。彼らは胡麻油一升にムカデ十匹を入れ約半年で溶かし、これとは別にガマ十匹何も餌を与えずに、一ヵ月ほど飼いならし腹の中を空にしたものを この中に入れる。それをとろ火で一日ほど煮つめ、濾してからセンソ適量と和ロウを加えてがまの油を作ったと伝えられている。 
 ガマ類の脂肪は融点が低く人間の体温でよく溶けるので皮膚に浸透し薬効が高い良薬だった。
    
     

            筑波山のガマの油 成分と作り方
        
                             
            
        〔筑波山梅林の旧がま園・茶屋「お立会い」の展示物〕    

 【関連記事】
 
 

現在、市販されている 「陣中油(一名 がまの油)」   
 現在、筑波山の土産物店で売られている“ガマの油”は、水戸市の種村製薬が伝承の薬をベースに改良したものである。これには、いわゆる"ガマの油"は入っていない。種村製薬株式会社のガマの油は、商品名を「陣中油」と言い、含まれている成分は、ワセリン、ラノリン、シコンエキス、スクワラン、尿素などである。 

●効能 
  切り傷、擦り傷、吹き出物、湿疹、アトピー性皮膚炎、虫刺され、ひび、あかぎれ、やけど、水虫、ニキビ、切れ痔、床ずれ、鼻炎、鼻水(鼻孔に綿棒などで塗布)、老人性皮膚病など。 

●肌にうるおいを与える成分・・・・紫根エキス・スクワラン・尿素 
   紫根・スクワラン・尿素の相乗効果  
 紫根は漢方名で、和名では「むらさき」ともいう。万葉集の恋歌にも登場する古来からの名草である。紫根は現在でも貴重な薬草で、殺菌、消炎、異常細胞の形成除去と新生細胞の形成そくしんなどの作用や、分泌異常、肌におさまざまな異常を改善するとされている。スクワランはサメからとられ、保湿効果がある。また、尿素は、皮膚を柔らかくし、有効成分の浸透力を高める。なお、「「陣中油」には"ガマの油"は入っていない。

◆賦活効果  
  不足する成分を与えるだけでなく、血行を良くし、飢を内側から元気にする。 
◆改善効果  
  乾燥、ひび・あかぎれ、しもやげ、切り傷など、肌のトラブルを積極的に改善する。  
◆美肌効果  
  ベタつかず、肌にしっとりとしたうるおいを保持させ、やわらかくすぺすべにする。 

●市販されている「陣中油」  
      
     A: 障中油(ガマの油) 210gプラ缶入り  
     B: 障中油(ガマの油)  14gプラ缶入り   
     C: 障中油(ガマの油)   7gプラ缶入り  
     D: 障中油(ガマの油)   8gチューブ入り  

     (以上、”現在、市販されている「陣中油(一名 がまの油)」” は、製造販売:種村製薬株式会社(〒310-55 茨城県水戸市袴塚1-6-26)の資料 「陣中油(一名 がまの油)」によった。) 
 
 現在では蟾酥(せんそ)、蒲黄(ほおう)とも医薬品に指定され、同種のものを製造して販売するには薬剤師登録販売者の資格が必要である。

         筑波山名物 ガマの油  
      

  

 

  


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